資源循環の取り組み 〜学生による比較栽培実験〜
生ごみから育つ野菜。
学生によるリアルな検証結果を公開
家庭から出る生ごみ堆肥の本当の力を、
名古屋農業園芸・食テクノロジー専門学校の学生が約2か月かけて検証しました。
「Reencleで作った堆肥、本当に上手に使えているのかな?」
「もっと活かす方法があるんじゃないかな?」
Reencleをすでに使っている方も、これから導入を検討されている方も、できあがった堆肥をどう活用していくかは気になるところですよね。私たちReencleチームのもとにも、ユーザーの皆さまから「この堆肥、もっと上手に活かしたい」という前向きなお声が多く届いています。
そんな中、名古屋農業園芸・食テクノロジー専門学校の学生さんが、約2か月にわたる比較栽培実験を通じて、Reencleで作った堆肥の本当の力を、市販のぼかし肥料・無施肥の土と並べてしっかりと見える化してくださいました。
結果は、私たちにとっても自信を深めるものでした。今回はその検証内容を、研究者である西川裕紀さんのレポートをもとに、できる限り丁寧にお届けします。
学生による独立した研究プロジェクト
今回ご紹介する研究は、名古屋農業園芸・食テクノロジー専門学校 農芸テクノロジー科 農チーム 西川裕紀さんによる「みどりの戦略学生チャレンジ」への取り組みです。
同校は、農業とテクノロジー、そして食を一貫して学べる4年制専門学校。アグリテック教育に力を入れており、学生さんたちは座学だけでなく、実際の農場で土に触れながら研究を進めています。
西川さんの研究テーマは、「生ごみ堆肥の肥料効果の検証」。Reencleはこの研究に協力企業として、生ごみ処理機(Reencleハイブリッド式)を提供させていただきました。研究の計画から実験、分析まで、すべて西川さんご自身が主体となって進めてくださったもので、Reencle側からは一切の手出しをしていません。
つまりこの記事は、Reencleが自社で行った実験ではなく、第三者である農業の専門家を目指す学生さんが、独立した立場で導き出した結論です。
なぜこの実験が必要だったのか
日本では、家庭や事業所から出る生ごみが年間およそ2,000万トン焼却処理されています(環境省「一般廃棄物処理事業実態調査」より)。これは膨大な量の水分を含んだごみを高温で燃やしているということで、CO₂排出やエネルギー消費の観点で大きな環境負荷を生み出しています。
国はこの問題に対して、「みどりの食料システム戦略」を掲げ、食品廃棄物の発生抑制を重要課題として位置づけました。さらに食品サイクル法では、食品残渣を「廃棄物」ではなく「資源」として捉え、循環させる仕組みづくりを推進しています。
ただし、政策として方向性が示されていても、現場で重要なのは「家庭でできた生ごみ堆肥を、農地でどれだけ活かせるのか」という実用的な検証です。理論的に肥料になるとわかっていても、市販の肥料と比べてどんな特徴があるのか、どう使えばその力を引き出せるのか、実際の栽培結果から学べることはたくさんあります。
西川さんの研究は、まさにそうした「活用のヒント」を引き出してくれる、貴重な検証となりました。
実験の概要
期間と場所
- 期間:2025年9月9日〜11月14日(約2か月間)
- 場所:愛知県東郷町の農場(プランター栽培)
比較した3つの条件
3つの土壌条件で、まったく同じ作物を育てて比較するという、シンプルで分かりやすい設計です。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| ① 土のみ | 土30L(無施肥) |
| ② ぼかし肥料+土 | ぼかし肥料300g + 土30L |
| ③ Reencle生ごみ堆肥+土 | 生ごみ堆肥10L + 土30L |
栽培した作物
- ブロッコリー
- 小松菜
どちらも家庭菜園でも人気の葉物・花蕾野菜で、肥料の効果が外見に出やすい作物です。
重要な実験条件
特筆すべきは、全期間を通じて農薬および化学肥料は一切使用せず、有機肥料のみの条件下で栽培が行われたという点です。これは「Reencle堆肥が、化学肥料に頼らない自然な栽培にどこまで通用するか」をしっかりと試す設計になっています。
生育の経過レポート
ここからが今回の本題です。3つの条件で野菜たちはどう育ったのか、時系列でお見せしていきます。
生育初期(9月27日) — 堆肥の使い方が結果を分ける
植え付けから約2週間後の段階で、3つのプランターには明確な差が現れました。
| 条件 | 9月27日の状態 |
|---|---|
| 土のみ | 保水性が高い/生育が一番良かった |
| ぼかし肥料+土 | 保水性が高い/生育が二番目に良好 |
| Reencle生ごみ堆肥+土 | 保水性が低い/乾燥/白カビが発生/生育がやや遅い |
この時期、Reencle堆肥のプランターでは土壌がやや乾燥気味になり、表面に白カビが見られました。
ただ、これは堆肥そのものの問題ではなく、「使い方を整えれば最初から防げる現象」です。西川さんの考察を読むと、原因がはっきりわかります。
「配合された生ゴミ堆肥に含まれる微生物の活動が土壌の水分を奪ったことと、微生物が生ごみを分解することによって生じる発熱により、土壌乾燥を招いた」
「生ごみを堆肥として使用するには、十分な水分管理を行うか、あるいは完全に発酵した生ゴミ堆肥を使用する必要がある」
つまり、Reencleで処理したばかりの内容物は、まだ微生物が活発に働いている「生きた堆肥」だということ。だからこそ、ご家庭で活用される際は次の2点を意識していただくと、初期からスムーズに育てられます。
✅ しっかり熟成させてから使う(Reencle排出後、しばらく寝かせて発酵を完了させる)
✅ 水やりをこまめに行う(微生物の活動による初期の乾燥を補う)
この2点さえ押さえれば、最初から安心してお使いいただけます。そしてここから先で見ていただく通り、Reencle堆肥は時間が経つほど真価を発揮する特徴を持っているのです。
生育中期(10月17日) — 順位が動き始める
植え付けから約1か月。状況は大きく変わりました。
| 条件 | 10月17日の状態 |
|---|---|
| 土のみ | 生育が小さい状態で止まっていた(土の養分切れ) |
| ぼかし肥料+土 | 生育が一番良好/ただし虫食いが一番多い |
| Reencle生ごみ堆肥+土 | 生育が二番目に良好/虫食いが一番少ない |
注目していただきたいのは2つのポイントです。
1. 「土のみ」は失速した
無施肥では、初期の養分が尽きると一気に成長が止まります。「ふつうの土でも野菜は育つでしょ」という感覚が通用しないことがよく分かります。
2. ぼかし肥料は伸びるが虫に狙われる
急激な肥料効果で葉は青々と茂りましたが、その分、虫が大量に集まってきました。家庭菜園経験のある方なら「あるある」の現象だと思います。
そしてReencle堆肥は、初期の遅れを取り戻して2位に浮上。さらに虫食いが3条件中で最も少ないという、非常に優秀な結果を見せ始めました。
生育後期(11月14日) — Reencle堆肥が逆転1位に
植え付けから約2か月後、最終結果はこうなりました。
| 条件 | 11月14日の最終結果 |
|---|---|
| 土のみ | 10月17日からほとんど変わらず(成長停止) |
| ぼかし肥料+土 | 虫食いが進行/小松菜の可食部があまりない |
| Reencle生ごみ堆肥+土 | 生育が一番良好/虫食いも一番少ない |
最終的に、Reencleの生ごみ堆肥で育てた野菜が、生育・虫食いの少なさの両方で1位となりました。
序盤から着実に育ったプランターが、終わってみれば最も健康で、最も収穫量が多く、虫にも食われていない。一方、序盤で快調だったぼかし肥料は、せっかく育った小松菜が虫に食べられて「可食部が少ない」状態に。
つまり、「すぐに効くが虫を呼ぶ肥料」より「ゆっくり効いて虫を寄せ付けない肥料」のほうが、結果的に多く収穫できたということです。
2か月間の生育比較
上から「Reencle生ごみ堆肥」「ぼかし肥料」「土のみ」の順。
時間が経つほど、Reencle堆肥(最上段)の生育が群を抜いていくことが一目でわかる。
なぜReencle堆肥が後半で勝ったのか
西川さんの考察を、私たちなりに整理してご紹介します。
緩やかで持続的な肥料効果
ぼかし肥料は速効性が高く、植え付け直後から栄養がガツンと効きます。これは初期の生育には有利ですが、肥料切れも早く、何より柔らかく茂った葉が虫を引き寄せやすいという特徴があります。
一方、Reencleで作った生ごみ堆肥は微生物の活動でゆっくりと分解が進むため、肥料効果が緩やかに、長く続きます。急成長させない代わりに、息の長い栄養供給を可能にしているのです。
虫食いが少ない理由
これは農業の世界では知られている話ですが、急激な肥料(特に窒素過多)で育った植物は、虫にとって「ごちそう」になりやすい性質を持ちます。逆に、緩やかに育った植物は細胞がしっかりしていて、虫がつきにくい傾向があります。
今回の実験でぼかし肥料の虫食いが最多、Reencle堆肥が最少だったという結果は、まさにこの傾向と一致しています。
この実験から見えてきた3つのこと
2か月にわたる比較検証の結果から、Reencle堆肥が持つ価値が改めて見えてきました。お使いの方も、これから始める方も、ぜひ知っておいていただきたい3つのポイントをご紹介します。
POINT 1
Reencleで作った堆肥は「本物の肥料」として機能する
学術的な比較実験で、市販のぼかし肥料と同等以上の生育成果を出すことが示されました。「家庭ごみの再利用品」という以上の価値があります。
POINT 2
化学肥料・農薬なしでも、しっかり野菜が育つ
今回の実験では化学肥料も農薬も使われていません。それでもReencle堆肥で育てた野菜が最も健康に育ったという事実は、安全な野菜を自分で育てたい方にとって大きな後押しになるはずです。
POINT 3
ベランダ菜園・家庭菜園との相性が良い
プランター栽培で結果が出ているということは、特別な広い土地がなくても、ご自宅のベランダや庭で同じ循環を再現できるということ。生ごみを捨てず、その堆肥で野菜を育て、また食卓へという小さな循環が、毎日の暮らしの中で実現できます。
Reencleからのメッセージ
最後に、研究にご協力いただいた西川裕紀さん、そして名古屋農業園芸・食テクノロジー専門学校の皆さまに、心より感謝を申し上げます。
私たちReencleが目指しているのは、家庭から出る生ごみが、もう一度食卓に戻ってくる暮らしです。一台の家電をきっかけに、捨てるはずだったものが土を育て、野菜を育て、また食卓に戻ってくる。そんな小さくて確かな循環を、毎日のキッチンから始めていただきたいと願っています。
今回の研究結果は、その理念が「絵に描いた餅」ではなく、土と作物の上で確かに成り立っているということを、第三者の手によって示していただいた貴重な記録です。
Reencleは今後も、こうした研究機関や教育機関との協力を続けながら、「捨てるから育てるへ」のメッセージを広げていきます。
📄 研究レポート全文ダウンロード
今回ご紹介した検証の詳細は、西川さんが作成された正式な研究レポート(PDF)でご確認いただけます。実験条件、写真、考察のすべてが1枚にまとまった、貴重な学術資料です。
研究レポートPDFをダウンロード『生ごみ堆肥の肥料効果の検証』
名古屋農業園芸・食テクノロジー専門学校 農芸テクノロジー科 農チーム 西川裕紀

